前回解説した歯周病検査(歯周組織検査、P検、歯周ポケット検査)、
当院では結果について必ずご本人に説明します。
「当院では」言うてますけど、まあ普通のことで本来はどこでもそうであって欲しいわけですが。
歯周病ですねえ、となるとたまにいただくご質問。
「歯周病は治りますか?」
なるほど。
治るか治らないかで言ったら、治ります。
ただ、一度治ったらおしまいという感じではないですね。
かと言って、定期的に歯周病が見つかって一連の治療を繰り返すというのも違うんですよね。
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歯周病には、歯肉だけに炎症がある「歯肉炎」
さらに進行して骨が減ってしまう「歯周炎」があります。
歯肉の炎症をなくすのは可能ですが、減ってしまった骨は基本的には戻りません。
(骨の減り方や条件が整っての手術などで骨が戻ることがなくはないですが。)
骨が減っていれば、炎症をなくしてそれ以上減らないようにすること。
できれば骨が減る前にそれができるのがベストです。
歯周病は歯周病菌(種類は色々)が出す毒素に対する炎症です。
歯周病を治すには歯周病菌を減らすこと、
つまり歯周病菌の住処であり塊であるプラークや歯石を減らすことが必要です。
硬くなってしまったもの、ずっと残っているものはプロケアでとってもらう。
日々たまってしまうのをなるべく少なくするため、リスク部位のセルフケアを教えてもらう。
歯周病が見つかったならば、上記を炎症が抑えられるまで集中的にやり、
炎症が抑えられたならば、再び歯周病にならないぐらいの間隔でのメインテナンスが必要です。
炎症をモニターするのに、前回説明した歯周組織検査が不可欠になります。
たまに聞くのですが、
何ヶ月かおきに検診に行くとたまに歯周病が見つかって、そこから歯石とりに通う、
というのを繰り返している、と。
定期的に来てください、と言われたのを守らずに期間が空いてしまったならありえますが、
ちゃんと言われた通りに行ってるのに、というのは医学的には?です。
そうならないぐらいのメインテナンスの期間を設定しなければなりません。
まあ、いろいろとご事情があるのでしょうが。
院長・米畑 有理