「2018年12月6日 NHK「あさイチ」女のニュース 知ってる?歯の磨き方」
歯はすぐ磨くべきか、少し時間をあけてから磨くべきか
歯科医の間でも大論争になっています!という内容。
両方の見解を取り上げて結論は出ていません、というのが面白かったですねえ。
時間をあけて磨くべき?
口内が酸性に傾いていて歯が削れやすい、唾液の働きを阻害するので30分以上あけて磨く、
というのは理論的には成り立っていると思います。
が、実際に直後に磨くのと30分以上磨くので臨床的な差が出るかについては検証はされていません。
食後すぐに磨くべき?
食後すぐに磨かなければならないというのははっきり言って根拠がありません。
食後”すぐに磨いたから”虫歯が減った、という論には疑問を感じます。
そこはフッ素入り歯磨き粉の普及による影響が大きいのではないでしょうか。
つまり、ただ1つ言えるのは、
食べたからすぐ磨かなきゃ!と焦る必要はないということです。
実は食べる直前に磨くのがベスト!?
虫歯菌が食事の糖や炭水化物から酸を作り、その酸で歯が溶かされます。
ということは、食べる前に虫歯菌を減らすこと=歯垢を落とすことが有効なはずです。
しかし、歯磨き剤に含まれるフッ素の効果について考えると、
歯磨き剤を使用した直後に食事をしてはフッ素が流れてしまいます。
ならば・・・食間=食事と食事の間に磨くのがベストのタイミングだ!
との結論がカリオロジー(う蝕学)研究者たちのミーティングで出たことがあるそうです。
よーし、食間に磨こう!と早とちりしないでくださいね。
これはあくまでも虫歯予防にベストなタイミングは、という話。
歯周病予防を考えると寝る前、
インフルエンザ予防を考えると朝食前、
と目的によってベストなタイミングは異なります。
しかも「理論上は」という注釈付きです。
歯を磨くタイミングより大事なこと
歯を磨くタイミングによる差は微々たるもの、ではないでしょうか。
また、万人にベストなタイミングはないのではないかと。
人によって、お口の状態によって、違ってくると思います。
そんなことよりも、定期的にバイオフィルム(細菌の塊)を除去してもらうこと、
それぞれのリスクに合わせたセルフケアを教えてもらうこと、
の方がずーっと大事だし、意味があります。
院長・米畑 有理