ちょっと前になりますが、テレビ朝日「世界が驚いたニッポン! スゴ~イデスネ!!視察団」という番組の「病院&薬局SP」の中で歯科医院の視察がありました。
HDDレコーダーの自動録画のキーワード「歯」を登録しているので、知らないうちに録画されていました。これはなかなか面白そう、と見てみたところ、あまりにもツッコミどころが多過ぎて・・・どこから突っ込めばいいのやら。とりあえず、放送内容を文字で起こしてみました。
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本日の視察先①歯科医院
人口のおよそ85%が虫歯を持ってると言われている日本では(厚労省平成23年歯科疾患実態調査)、近年、患者に負担をかけない歯科治療が広まりつつあります。
健康な歯を持つ人を増やすため、歯科医院に行きやすくする。そんなシステムの導入が進む日本の歯科医院を視察するため、スウェーデンからやってきたのは、歯科医師のキャリア28年、アン・リンドストロムさん。スウェーデンは世界屈指の虫歯予防大国、20歳未満の国民なら予防にかかる費用はすべて無料、定期的な歯科検診などを習慣化させ、国全体で歯を大切にする取り組みを行っています。そんなスウェーデンでアンさんは歯科医院の院長として予防指導から治療まで幅広く行っているプロフェッショナルです。
アンさん「日本にはたくさんの歯科医院があると聞いています。そこで歯科医師がどんな道具を使いどのように虫歯治療を行っているか興味があります。」
◆最初の視察ポイントは・・・①痛みの少ない虫歯治療◆
視察団が向かったのは、東京のオフィス街新橋に開業、患者に極力負担をかけない治療を目指し、最新技術を導入している歯科医院です(東京都港区 新橋歯科診療所)。案内役はこちらの歯科医院で理事を務める小野芳司さん。
小野さん「日本では最先端のシステムを入れてますので、患者さんに優しい治療をしているところとか、そういうところを見ていただきたいですね。」
さっそく、視察開始。海外の歯科治療のプロ、アンさんはどんな反応を示すのでしょうか?
歯の治療を行うスペースを見ると、
アンさん「どうして個室じゃないんですか?オープンスペースで治療なんて見たことがありません。スウェーデンでは個室で治療を行うのが一般的なんです。」
小野さん「こういうスタイルであれば1人の先生が他の先生の治療にオピニオンを出しりだとか、そういうことがすごくしやすいスタイルになっています。」
スウェーデンでは患者のプライバシー保護を重視、主に個室で歯科診療を行っているようですが、こちらの歯科医院では歯科医師が時には別の歯科医師の意見を求めるなど、患者により良い診察を提供するため、移動しやすい空間で診療を行っています。
続いては、実際の診察です。今回の患者は番組スタッフ。現在通院はしていないものの、右の奥歯に違和感があるということで、検診を受けることに。
(院長 白井清士先生)
院長「痛いところはありますか?」
患者「右の奥がちょっと」
問診が終わると歯の状態を目で見て確かめます。
アンさん「歯の状態はどうですか?」
院長「ここの歯の間が虫歯がありますね。」
ここで歯科衛生士がある道具を取り出します。
アンさん「何ですか?この道具は。」
果たして海外の歯科医治療のプロも驚いた、患者の負担を減らすための最新歯科医料器具とは?
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歯科医師が虫歯を発見した所で、歯科衛生士が取り出したのは、最新の歯科医療器具。
理事「この機械で虫歯の進行度がどの程度進行しているか、というのを測ります。」
アンさん「こんな機械、私は見たことがありません。」
こちらは、虫歯ディテクターと呼ばれる虫歯の進行度合いをチェックする歯科治療専用の器具。
今までは目で確認を行い、疑わしい歯があれば、レントゲンで撮影し、虫歯かどうかを判別していましたが、レントゲンに写りにくい虫歯や場所によって隠れて進行しているものは見つけにくいものでした。でも、この虫歯ディテクターはレーザーを照射することで虫歯の進行度を確認、患者に負担をかけず、虫歯発見の手助けをしてくれるのです。
アンさん「スウェーデンでは主に視診とレントゲンなので、この方法はとても便利ですね。」
診察によって虫歯を発見したので、続いては治療。
今回は必要と歯科医師が判断し、麻酔を行うと、歯科衛生士が用意したのは・・・
アンさん「これは何ですか?」
院長「ここにあるバクテリアをそのセメント埋めることによって殺してしまう事ができるんです。」
アンさん「この薬は使った事がないですね。」
これは出来るだけを歯を削らずに治す治療法。虫歯の治療法には、虫歯を削ってそこに詰め物をする方法もありますが、これは銅イオンなど殺菌作用のあるペーストを詰めることで、虫歯菌を殺し、必要以上に歯を削らない治療法です。アメリカで生まれたもので、ニッポンでは現在、保険の適用外になっていますが、患者の許可を得て、この病院では痛みをほとんど伴わず、患者に負担がかからない治療法として、取り入れているんです。
院長「だいたいの患者さんが、削るのがやっぱり苦手な人が多いんですよね。患者さんのためということでとても良い方法じゃないかと思います。」
すると、ここでアンさんが
アンさん「もっとうがいした方がいいですよ。でも、水の出るボタンがないですね。
院長「置けば、水が出ます。」
アンさん「そうなんですか!私の歯科医院ではボタンを押さないと水は出ませんよ。ボタンを押す時にグローブを外さないといけないので面倒なんですよ。」
日本の多くの歯科医院では、コップを置けば水が出て一定の量になると水が止まる、このような機器を導入しています。
アン「本当に衛生面でも良いシステムだと思います。」
そして治療は15分ほどで終了。
アン「虫歯菌を殺すなんて、新しい方法ですね。」
◆ニッポンの歯科医院を視察したら・・・
虫歯の発見や治療に患者の負担をなるべく減らすため、様々な器具や治療法を取り入れていた。
◆続いての視察ポイントは・・・②患者を気遣う歯周病対策◆
視察していたスウェーデンの歯科医療のプロ、アンさんが気になるものを見つけました。
アンさん「あれは何ですか?」
理事「カルテですね。患者様の最初の診断問診票も全部この中に入っています。」
アンさん「カルテは紙ですか?コンピューターですか?」
理事「コンピューターもありますし、紙もあります。」
アンさん「スウェーデンはコンピューターで管理しています。ストックホルムの全ての歯科医院はカルテを共有しているので、どこの歯科医院でどのような歯科治療を受けたのか、すぐわかる仕組みになっています。」
理事「それは驚きですね。日本でこのクリニックのコンピューターデーターを他のクリニックが見たり他からアクセスできるということはまずありません。」
スウェーデンでは、個人のカルテをすべての歯科医院や病院で共有できるネットワークを構築、どの歯科医院に行ってもIDカードを提示すれば、過去の治療歴がわかるようになっているようですが、ニッポンでは個人のカルテは受診した各歯科医院や病院が管理しているため、過去の治療歴が必要な場合は取り寄せる必要があります。
理事「患者様からカルテを要求されて、カルテをセカンドオピニオンで違うドクターに持って行きたいのであれば、喜んで提供するんですけれども、そういう形が日本ではスウェーデンなんかと比べてすごく少ない。なぜなら、1つのクリニックで1人の先生が大体のことが出来てしまうから。」
アンさん「スウェーデンは一般歯科専門の歯科医院が多いです。審美や矯正を行いたい患者さんはその専門の歯科医師のところに行きます。」
スウェーデンの多くは、一般歯科・矯正・審美など受診できる専門分野がそれぞれ専門歯科医院として独立しているそうですが、ニッポンでは1人の歯科医師が一般歯科だけでなく矯正や歯周病、口腔外科など複数の専門分野に精通し、歯に関わる様々な診療を1カ所で行える歯科医院が比較的多いんです。
続いてスウェーデンの歯科医師、アンさんは歯科衛生士によるケアを視察。
ここにも患者に負担をかけない最新技術を取り入れています。
アンさん「アレは何をやっているの?」
理事「口腔内の細菌をチェックします。虫歯菌の数、歯周病菌の数を測っています。」
アンさん「これは良いですね!初めて見ました。」
衛生士「今、レベル4のところにランプがついているので、洗濯槽と同じくらいの細菌がはいっていることになります。」
理事「細菌の数を知る事によって、虫歯の可能性だとか歯周病の可能性、口腔内がどこまで汚れているかということを知ることが出来ます。」
これは、口の中の細菌の数を調べることができる装置。細菌の数によってレベルが7段階に分かれており、こちらの歯科医院ではレベルに合わせて、歯みがき指導やクリーニングを行い、口の中の細菌の数を減らすことで、虫歯や歯周病など歯の病気を事前に防ぐ取り組みをしているんです。
衛生士「進行しない状態を維持する事が歯周病に関しては一番大事なことだと思うので。」
アン「でも歯周病患者は口のニオイでわかりますよね。」
理事「スウェーデンでは口がクサいというのを患者さんに言ったりします?」
アン「もちろん直接クサいなんて言うわけありません。」
理事「歯周病の患者さん自体は自分が臭うという事を気がついてませんので、その患者さんに対して「あなた臭いますね。すごいクサいですよ」とはこちらとしてはなかなか言いにくいわけですよ。この機械を使って口腔内の細菌の数値を見せてあげる事によって気づいてもらう。で、ケアが必要ですよという事を説明する、と患者さんに優しく説明できますよね。」
アンさん「それは間違いないです。素晴らしいと思います。」
スウェーデンでは20歳未満の国民なら、虫歯の予防にかかる費用はすべて無料。定期的な歯科検診を習慣化させ、国全体で歯を大切にする取り組みを行っており、虫歯など歯の病気になる人が日本より少ないようですが、日本では、長年、歯科医院で虫歯の予防をするといった考えが浸透して来なかったため、歯が痛くなってから歯科医院へ行く人が多く、予防や定期検診があまり習慣化していませんでした。しかし近年、多くの歯科医院は患者に負担の少ない最新治療を積極的に取り入れ、歯科医院を行きやすい場所にすることで、虫歯や歯周病の予防にも力を注いでいるんです。
アンさん「患者にとって歯を残すために、ケアをし続けることが大切だと思います。」
◆視察結果・・・
ニッポンの歯科医院を視察したら、患者に配慮した歯周病の予防・治療のため、口の中の細菌数を測定できる最新機器を使っていた!
アンさん「日本の治療法や技術を見て感心しました。スウェーデンに帰ってみたら、試してみたいと思います。」
■■■ 以上 ■■■
てな感じです。
改めて、ゆっくりツッコミ入れていきます☆