ミラーの柄と教授診と私

本日の診療中、デンタルミラーを手にすると何か心地が悪く・・・

ミラーの柄が「角」じゃなくて「丸」だ!

 

左が「角」右が「丸」
左が「角」右が「丸」

歯の花クリニックのデンタルミラーの柄はなんとなく「角」にしていたのが、なぜか1本だけ「丸」が紛れ込んでいました。

これがなんともしっくりきません。

 

なんで「丸」なんだー!「角」だろー!「角」を出しやがれー!このハゲー!

 

と怒ったりするタイプではないのでただ静かに診療しながら、

歯学部生時代に思いを馳せておりました。

 

 

私が歯学部生の頃、臨床実習を修了するにあたって、教授診を受けなければならない診療科がいくつかありました。

白い巨塔のような、ドクターXのような、大名行列は歯科なのでありません。

が、1つの診療科だけ、ある意味、大名行列よりインパクトのある教授診でした。

 

1回の教授診で見てもらう学生は5名ほど。

それとは別に、教授の案内係1名、資料係1名、おしぼり係女子1名、を学生たちで持ち回りで担当し、担当のない学生たちも可能な限りその場に集まります。

皆が緊張する中、案内係が教授をトップバッターの学生の診療チェアーへ誘導します。

教授は座ると、パッと手を出します。

学生が決まった順番で資料(レントゲン、模型など)を渡します。

教授は見終わった資料をノールックで反対側に差し出します。

資料係がそれを受け取ります。

症例に関して、さまざまな指導を教授が語られます。

まわりを取り囲むたくさんの学生でうなずいたり、感嘆の声を(大げさ目に)あげます。

一通り指導が終わると次の診療チェアーへ教授が移動します。

その瞬間に女子がおしぼりを渡します。

そして次の診療チェアーにつくとノールックで差し出すおしぼりを女子が受け取ります。

とにかく教授の気を損ねないよう学生一丸となって頑張るのです。

 

 

で、何の話かというと・・・

この時に準備する器具や資料などには様々な細かなルールがあり、

その1つがデンタルミラーは柄が「角」のものを、だったのです。

 

当時はミラーの柄なんて細かいわ~、と思っていたのですが、

確かに柄の違いは大きいかも!と今日感じたわけです。

年のせいでしょうか?経験を積んだおかげでしょうか?

 

なんか長い話ですいません。

しかし、あの伝説の教授診、懐かしいわ~。

当時は緊張して嫌でしょうがなかったですが、

今となっては楽しい貴重な思い出です。

 

歯の花クリニック院長・米畑

www.hanohana.com