歯周組織検査、歯周ポケット検査、P検なんて呼ばれたりしますね。
歯と歯肉の間の溝、歯肉溝をさぐり、深さ・出血の有無・歯の動揺などを記録する検査です。
これで歯周病の状況がわかります。
逆に言うと、この検査をしないと歯周病の状況は把握できません。
歯肉に炎症があれば、見ただけで炎症があることはわかりますが、
どれだけ重篤なのか、また全ての歯について歯周病を把握するには不可欠の検査です。
歯周病学会のサイトに検査の動画がありました。ご参考になさってください。
読み上げ機能を使っているのか、変なyoutube動画みたいになってますけど(笑)
内容はいたって真面目です。
http://www.perio.jp/news/basic_practice.shtml
そして、こんな感じの用紙(例)に記録をします。
WHITE CROSS 歯科医療従事者専用サイトより https://www.whitecross.co.jp/
この記録用紙はとても重要です。
1歯につき1ヶ所あるいは4or6ヶ所のプローブで測った深さを記録します。
さらにプローブを差し入れた後に出血があった部位をチェックします。
プローブで測った深さpd(プロービングデプス)、
出血があったヶ所数が全体の測定ヶ所に占める割合=BOP(bleeding on probing) 、
これらを元に歯周病治療の必要性を知り、歯周病治療の成果を確認しながら進めて行くのです。
メインテナンスでも、歯肉の健康状態を確認するために重要な検査です。
当院では
pd(プロービングデプス)が4mm以上あると骨吸収か炎症により歯肉の腫れが起こっている可能性を考えます。
BOP(bleeding on probing プローブで探った際の出血がある部位(%))は歯肉に炎症があるとして、
10%以下を目標にします。
ちなみに「ポケット」という言葉、結構間違って使われています。
歯と歯肉の間の溝は「ポケット」と呼ばれることがよくありますが、
正確には「歯肉溝」、英語で「サルカス」です。
炎症があって深くなっている(病的な状態の)歯肉溝のことを「ポケット」と呼びます。
深くても炎症がなければ深い「歯肉溝(サルカス)」です。
なので、「歯周ポケット検査」や歯周組織検査の「ポケット」という言葉は正確ではありません。
「歯周ポケット検査」の方は、歯周ポケットを見つけるための検査と解釈すれば、間違いとは言い切れませんが。
「ポケット」と「歯肉溝(サルカス)」という言葉をちゃんと使い分けて説明している
歯科医師や歯科衛生士だと歯周病がわかってそうだなあと感じます。
まあ、いろんな流派(?)がありますし「ポケット」はかなり一般的な誤用で、
厳密に学術的には誤りですよ、という豆知識的に捉えていただければ。
まあ、用語のことはさておき、
歯周組織検査はとても重要、
歯周組織検査が無くして歯周病の治療も予防もできないですよ、
というお話でした。
院長・米畑 有理